今回は、 旅行好きであれば憧れる、タイムシェアという仕組みを、簡単にご紹介します。
- タイムシェア・リゾートって何?
- 日本人に特に人気の世界のタイムシェア
- 部屋などリゾート施設はどうなの?
- 簡単なタイムシェアの仕組み
- 日本のタイムシェア・リゾート
- 予約はどうするの?購入した施設以外には泊まれないの?
- タイムシェアのオーナー(メンバー)になるための価格感は?
タイムシェア・リゾートって何?
「タイムシェア」というシステムをご存知でしょうか?
この仕組みとしてはリゾートマンション・コンドミニアムのようなものを共同で所有または使用する仕組みで、その期間分の経費だけを負担し合うようなシステムです。
バケーション・オーナーシップとも呼ばれています。
元々はヨーロッパやアメリカのリゾート地で広がり、大手のホテルチェーンであるマリオットやヒルトンなどがこのタイムシェア事業に参画しています。
欧米では1年で1回以上は長期のお休みが取れることが一般的なため、そういった人たちに非常に人気のあるのがこのシステムですが、最近は日本でも人気になってきています。
私も、十数年ほど前に初めて利用するまではあまり知らなかった仕組みだったのですが、現在は自分でも所有をしてみて、様々なメリットやデメリットなどもわかりましたので、少しずつ紹介をしていきたいと思います。
今回は、まず大まかな概要だけを説明します。
日本人に特に人気の世界のタイムシェア
前述したように、元々はヨーロッパやアメリカで発展してきた仕組みですので、海外には非常に多くのタイムシェアリゾートとその運営会社が存在します。
そんな中で日本人観光客が多く行く場所で、特に人気があって有名なのは、ハワイにあるタイムシェア・リゾートではないでしょうか。
オアフ島やハワイ島ワイコロアなど世界で64施設のタイムシェアリゾート展開をしている「ヒルトン・グランド・バケーションズ」や、同じくオアフ島のコオリナやタイのプーケットなどでも展開している「マリオット ・バケーション・クラブ」、そしてオアフ島などでのリゾート展開をする「ディズニー・バケーション・クラブ」(ハワイのコオリナ地区にあるアウラニは日本でも数多くのメディアに紹介される機会が多いですよね)などの施設ではないでしょうか。
これらのタイムシェアリゾートに関しては、国内でも頻繁に説明会などが開催されていますので、日本の方で既にオーナーになっているという方も、数多くいらっしゃるかと思います。
他にも、アジアのビーチリゾートなどが多い「アナンタラ・バケーション・クラブ」や、ハワイのワイキキ地区にある「クラブ・ウインダム」など本当に多くの会社がありますが、日本人になじみがあるのはこの程度かと思います。
部屋などリゾート施設はどうなの?
これらのリゾートを調べた事のある方はお分かりかと思いますが、基本的には部屋が1LDK2LDKといった広い部屋の設定が多く、キッチンやランドリー設備も部屋の中についているというタイプのものが非常に多いです。高級ホテルと比べて一番の違いは、この部屋の広さと、キッチンがついているということではないでしょうか。(通常のホテルルームのように、部屋が一つだけでベッドが置いてあるという作りのものは、スタジオという部屋タイプになります。1LDKは、ダイニングキッチン+リビングにベッドルームが一つ別になっているという事です。都市の中心街にある都市型タイムシェア施設ではホテルタイプのものももちろん存在しますが、1部屋とはいえ割と広くてきれいな施設が多いです。これは利用する施設に寄る部分も大きいです。)
リゾートタイプの施設としては、いくつものプールが設置されていたり、数多くのレストランや小さなスーパーマーケットまでがあるという大型の高級リゾートと同等の設備が揃うものが多いです。場所によっては、オーシャンビューを満喫できたり、スキー場のど真ん中というリゾートも数多く存在します。子供用のキッズルームがあったり、ファミリーで楽しめる数々のアクティビティーが用意されていたりもします。
(もちろん施設にもよるのですが、高級なリゾート地区にあるものは、やはり洗練されたものが多いと感じます。)
簡単なタイムシェアの仕組み
これらのタイムシェアの仕組みでは、大きなリゾート内にある一つの部屋を1週間単位で利用できる権利を購入するという形になります。
簡単に説明すると、1年間には52週間あるので、同じ部屋の権利を1年分で52分割をして、1週間ごとに不動産の所有権を販売するようなシステムということになります。
(20××年の12週目の権利といった感じですね)
この権利を所有してオーナーになると、自分の好きな時期に、そのリゾートに1週間滞在することができるという事になります。(自由な州を選んで使用する形はフロートと呼ばれるタイプなのですが、毎年同じ時期に利用したい人は、利用できる週を固定するフィックスという購入方法もあります。毎年必ずゴールデンウィークやお正月などの決まった時期に行く方などは、このフィックスで権利購入している人もいます。)
もちろん1週間単位での取引ですので、2週間分購入することも可能ですし、毎年ではなく隔年の権利を購入するといった方法が設けられている会社もあります。
また、運営会社によってはリゾートの所有権では無く利用するための権利を購入すると、その利用権がポイントで付与されるという利用権でのポイント制をとる、タイムシェアリゾートもあります。
タイムシェアのポイント制というのは、利用権購入時に定められたポイント数が毎年付与され、そのポイントで宿泊をするというイメージです。宿泊の時期によって、部屋に宿泊するために必要になるポイントが異なる仕組みになっており、持っているポイントで必ずしも1週間の宿泊ができるとは限らず、1週間よりも少なくなってしまう時期もあるし、1週間よりも多く宿泊ができる時期もあるといった形になっています。
(所有権を販売する形のタイムシェアでも、その所有権を使用する場合にはポイントで消化をしていくという会社もあります。会社によってその方法が違いますので、それが少しややこしいところですね。)
共通して言えるのは、所有権や利用権を持ってオーナー(ポイント制リゾートではメンバーというところもあります)になると、1泊いくらというようなホテルのような仕組みで支払いをするのではなく、自分が持っている権利の範囲内で、ほとんど無料で宿泊をすることができるという事です。
厳密にいうと、宿泊利用する際にリゾート利用フィーなどの若干のお金は別途かりますがホテル宿泊に比べるとかなり少ない金額のみで、ホテルのように1泊数万円×1週間分で、数十万円の支払いが宿泊時に発生するというようなことはありません。
(まあ、その権利を先払いして購入していますのので、当たり前ではありますが。)
また、年間の維持費(維持管理にかかる費用や、積立金や場所によっては固定資産税などです)というような費用が、毎年かかるという仕組みにはなっています。
日本のタイムシェア・リゾート
このような欧米主体のタイムシェアでしたが、日本国内でも多くみられるようになってきました。日本では、会員制リゾートホテルという呼び方をしている施設もあります。
海外へ行くのは少しハードルが高いけど、気軽に行ける国内ならばという国内旅行趣向や、別荘を購入するには高すぎるし維持もできないというニーズを、うまくとらえているのではないでしょうか。
「東急バケーションズ」が全国で16カ所の直営施設があり、ポイント制でのポイントシェア可能なホテルは国内で30ほどあります。北は北海道から、南は沖縄までありますが、施設が多いのは関東圏~関西圏から行きやすい場所なのかと思います。
「リロ・バケーションズ」は提携を入れて40施設あり、栃木・千葉あたりから和歌山・兵庫くらいまでの中部日本地区に集中している印象です。
「東急ハーベストクラブ」は24施設といった感じになっています。
(2020年5月現在ですので、若干の増減が出るかもしれません。)
日本のこれらの会社では、その会社によっても仕組みなどが大きく異なっています。
予約はどうするの?購入した施設以外には泊まれないの?
オーナーはその施設にはもちろん優先的に泊まることはできますが、固定週でない購入の場合の宿泊日程に関しては、ホテルと同じようにのための予約をとることになります。
基本的には、そのリゾートごとに決まった規則があり、その予約開始日を待って予約を入れて部屋を確保するという事になります。
固定週でのオーナー(メンバー)になった場合には、その週は基本的に自分の権利がすでにありますので、自動的に予約されていると思えばよいと思います。
また、ほとんどの海外タイムシェアリゾートでは、権利を交換する交換プログラム会社と契約をしており、世界各国の他社が運営するリゾートとも、権利を交換をすることが出来ます。
具体的にいうと、いつもはハワイのリゾートを利用していたけど、今年はインドネシアのバリ島やヨーロッパ・スペインのリゾート地に行きたいなという事になっても、ハワイのリゾートに1週間宿泊するための権利やポイントを使用して、他のリゾートに非常に安価に泊まることが可能なのです。
実は、タイムシェアのもう一つの魅力は、世界各国のいろいろなリゾートを利用することが出来るという、この交換プログラムにあるのかもしれません。
また、大手ホテルチェーン系のリゾートであれば、自分の権利分をホテルポイントに交換して、そのポイントでホテルに宿泊をするといった方法もあります。
この辺りは、別の項目でもう少し詳しく書いてみようと思います。
タイムシェアのオーナー(メンバー)になるための価格感は?
これは、 タイムシェア運営会社や取得する施設によっても大きく異なるので非常に難しいところなのですが、海外タイムシェアの大手などのもので良く聞く価格帯としては、車が買えるくらいの金額からという感じようです。
(車によっても値段はまりまちなので難しいところですが、1週間程度の使用ができる権利取得で、国産車の中級クラス価格帯である200~400万円くらいからというイメージなのかなと思います。)
この価格での、不動産の取得という事になり、その場合にはずっとその権利を持つことが出来るため、子供に相続することもできますし、譲渡・売却などもすることが出来ます。
また、利用権である場合には、リゾートを使用できる期間がいつまでと決まっているというタイプの会社・施設もあれば、永年での利用権がもてる会社のものもあります。
たとえば、ハワイなどの人気のリゾート地で、快適なホテルを家族4名で利用したとすると、1泊7万円程度はしますかね。7万円×7泊だと49万円分ににもなります。
これを10年間続けることを考えると、それだけで約500万円分のホテル代を支払うという事になります。
また、ハワイなどでコンドミニアムを購入することを考えると、数千万円~1億円以上もの価格帯にはなってしまいますので、そこまでの買い物はできないよという方も、このタイムシェアであれば選択の一つににはなるのではないでしょうか?
なんとなく、タイムシェアや会員制リゾートホテルに関して少しはお分かりいただけましたか?
今回はここまでとします。